2023/12/01
ハザードマップで見る、長野県佐久市の水害リスクや地盤が強い土地、弱い土地は?注文住宅を建てる際の土地選びのポイント
注文住宅を建てる場合、水害の危険性も考慮しておいた方が安心です。この記事では、長野県佐久市のハザードマップを見ながら、水害や地盤の強さをふまえた土地選びのポイントを解説します。佐久市でのマイホーム建築を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
佐久市のハザードマップから見る、災害が発生しやすい場所
佐久市では各地域ごとに「河川洪水ハザードマップ」「佐久市防災マップ」を公表しています。これらのマップを参考に、次の災害が起こりやすい場所について見ていきましょう。
・水害
・土砂崩れ
・液状化
水害が起こりやすい場所
佐久市には千曲川を中心に、30の1級河川が流れています。最近では2019年の台風19号(東日本台風)によって、床上浸水や家屋全壊も発生し、2名の方が亡くなった水害もありました。このことから、佐久市においても水害を意識した土地選びが重要なことが分かります。
水害が起こりやすい場所としては、佐久市街地で千曲川に沿ったエリアである中込エリア・野沢エリアが挙げられます。
中込エリアでは中込駅や中込中学校周辺まで、浸水想定エリアに指定されています。佐久城山小学校まで標高が上がると浸水想定エリアから外れるので、参考にしてください。
野沢エリアでは、野沢中学校や泉小学校まで浸水想定エリアに含まれます。この辺りまでは平坦な土地が続くので、千曲川から離れていても浸水する可能性があることは覚えておきましょう。
参考元:佐久市「台風19号災害、佐久市の現況と復旧・復興に向けた取り組みについて」
土砂崩れの起こりやすい場所
佐久市では土砂崩れにも注意しなければなりません。とくに望月エリアなど山間部に近い場所は、土砂災害にまつわる防災マップも確認した方がいいでしょう。たとえば協和地区では、たびたび土砂崩れが発生しています。「佐久市防災マップ」には土砂災害警戒区域なども掲載されているので、検討している土地があれば確認しておきましょう。
なお、土砂災害警戒区域内の土地を購入する場合、宅地建物取引業者はそのことを重要事項として購入検討者に説明することになっています。
液状化の仕組みと起こりやすい場所
液状化とは、地震によって地盤が液体のようになってしまうことです。似たようなサイズ・成分の砂が地下水で満たされている地盤だと、地震による揺れで砂粒子の結びつきがバラバラになり、砂が地下水に浮いた状態になります。こうなると水比重よりも重たい建物は沈んでしまうため、液状化は住宅に大きなダメージを与えることになるのです。
液状化対策として地盤改良工事をすることも可能ですが、それなりの費用がかかります。そのため、なるべく液状化が起こりづらい土地を選んで購入した方が良いでしょう。
液状化は「砂丘の縁」や「埋立地」で起こりやすい現象です。反対に「粘性土地盤」や「砂礫地盤」は、液状化しにくい地盤だと言われています。
佐久市内でも谷や沢を大規模に埋め立てたような「大規模盛土造成地」エリアが岩村田や望月、臼田エリアに存在しており、佐久市の「大規模盛土造成地マップ」で紹介されています。これらのエリアが必ずしも液状化の危険性があるわけではありませんが、1つの参考にしてみてください。
参考元:東京都都市整備局「東京都建物における液状化対策ポータルサイト」
地域で受けられる保険/保証
災害はいつ、どこで起きても不思議ではありませんから、もし地域で受けられる保険/保証があれば活用することをオススメします。
佐久市では現在、2019年の台風第19号に伴ったサービスとして、災害ごみの無料受け入れや床下消毒などを実施しています。また、過去には無利子での生活再建資金貸付も実施されました。災害発生時にはこのような取り組みが行われるケースも多いので、自治体からの情報はもれなく収集しておきましょう。
参考元:佐久市「令和元年台風第19号に伴い受けられる支援やサービス等」
注文住宅を建てるべき安全なエリア
さて、ここまで紹介した佐久市の「河川洪水ハザードマップ」「佐久市防災マップ」をふまえて、注文住宅を建てるべき安全なエリアを紹介します。
中佐都エリア
まず、佐久平駅の西側にある中佐都エリアは、ハザードマップ上は浸水想定域から外れています。中佐都小学校や中佐都保育園は避難所にもなりますから、比較的安心だといえるでしょう。
岩村田エリア
また、佐久平駅南東の浅間中学校周辺(岩村田)も、浸水しないエリアとされています。ただし、湯川に近い岩村田小学校周辺は浸水想定エリアになっているので注意してください。
臼田エリア
臼田エリアでは、千曲川左岸の佐久総合病院や臼田小学校、佐久平総合技術高等学校臼田キャンパス周辺のエリアが、ハザードマップ上は安心なエリアです。千曲川右岸の臼田中学校周辺は浸水想定エリアになっています。
望月エリア
望月エリアは、望月小学校や望月中学校周辺が比較的安心なエリアです。望月は山がちなエリアなので、小平地区や春日地区には土砂災害を警戒するべきエリアもあることは覚えておきましょう。
家づくりでの水害対策
マイホームを建てる際の水害対策としては、次の3つが挙げられます。
・ハザードマップを必ず確認する
・そもそもの敷地地盤を高くする
・高床構造にする
それぞれの具体的な対応方法は次のとおりです。
ハザードマップを必ず確認する
まず第一に、土地を購入する際はハザードマップを必ず確認してください。佐久市の公表している「佐久市防災マップ」を見ると、「千曲川・滑津川・湯川・志賀川 洪水ハザード」で水害の可能性が高いエリアが分かります。さらに「土砂災害警戒区域」や「浅間山噴火災害ハザード」も確認できるので、備えるべき災害が一目瞭然です。
これから土地を購入するという場合には、なるべく災害が起こりづらいエリアで探してみてください。
参考元:佐久市防災マップ
そもそもの敷地地盤を高くする
親の土地や相続した土地など、すでに持っている土地にマイホームを建てることもあるでしょう。そんな土地が浸水想定エリアにある場合は、盛土をしてそもそもの敷地地盤を高くする方法も有効です。
擁壁と盛土によって敷地をかさ上げすれば、それだけ住宅の浸水リスクは低減されます。この場合、盛土が沈下しないよう、しっかり地盤改良することが重要です。
高床構造にする
浸水時に住宅部分のダメージを抑える観点から、高床構造にする方法も考えられます。基礎を高くすれば、それだけ床上浸水のリスクを減らすことが可能です。また、ピロティ構造にして、地面部分を車庫にする使い方もあります。
ただし、ピロティ構造は地震には弱い側面があることも覚えておきましょう。高床構造にする場合は、工務店と十分に相談することをオススメします。
佐久市で注文住宅を建てるならトモノへ相談
佐久市は都心部へのアクセスが良く、気候も過ごしやすいことから、移住人気も高いエリアです。住みやすい街ではありますが、水害・土砂災害・浅間山の噴火災害といったリスクには備えておく必要があるでしょう。この記事で紹介したハザードマップなどを参考にしながら、マイホームを建てるエリアを探してみてください。
トモノでは、一戸建て注文住宅を建てる土地探しからお手伝いしています。災害に強いエリア・各エリアでの災害対策方法など、分からないことがあればお気軽にご相談ください。
記事監修者:中小企業診断士(住宅コンサルタント)塩味 隆行
一般社団法人 住宅資産価値保全保証協会認定講師
住宅検討をされている方が後悔しない家づくりを実現いただくため、 全国各地で年100回以上、家づくりセミナーの講師を担当しています。 住宅購入の際に必要となる性能や土地についての基礎知識から、 資金計画などの専門的なことまで、客観的かつ具体的に情報をお伝えいたします。
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長野県 北信 東信地域・長野市・上田市・東御市・小諸市・佐久市・軽井沢町で設計士とつくる注文住宅 新築一戸建て デザイン住宅 は住宅会社・工務店のトモノにご相談ください。