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columnコラム

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2023/06/12

長野県ZEH義務化に際して家を建てるときに知っておかなければならないこと

【これから家づくりする人へ】長野県ZEH義務化で建てられない人も?

 

今回は、2023年2月に阿部県知事が発表し、長野県でZEHレベルの住宅が義務化されることについてまとめました。

 

(引用)

阿部守一知事は15日の記者会見で、国が2025年度から新築住宅に対し、一定の断熱性能や冷暖房などの設備を省エネ化

する「省エネ基準」適合を義務化するのを見据え「国を上回る基準の導入を検討したい」と述べ、県として独自に引き上げる

ことを検討していると明らかにした。エネルギー消費量の年間消費が実質ゼロになる「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・

ハウス、ゼッチ)」基準のうち、断熱性能など一部の要件を義務化することなどを想定している。

出典:信濃毎日新聞

 

 

少し長くなりますが、これから家を建てる方々には非常に重要な内容ですので最後まで読んでみてください。

 

結論

・長野県は高い断熱基準を義務化しようとしている

・建築するエリアによって注意点が異なる。軽井沢・長野市、上田市などで建てる方は注意

 

 

全国に先駆けて高い省エネ性能の基準を設けることにより、消費者にとっては高品質な住宅が安定的に手に入りやすくなるはずです。

反面、エリアによっては高いレベルが求められるため、無理なく供給できる住宅会社は絞られてしまう可能性もあります。

 

 

そもそもZEHってなに?という方のために

 

まずは、ZEH(ゼッチ)について簡単な解説を致します。

 

ZEHはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスのことを指します。

ネットとは、「正味」「実質」のような意味を持っており、不動産や住宅に関わらず様々な場面で使われる言葉なので馴染みある方も多いかもしれません。

 

ZEHは単純化してみると、

実質ゼロエネルギー住宅と読み替えることができ、「エネルギー収支をゼロ以下にする家」という意味になります。

家庭で使用するエネルギーと、太陽光発電などで創るエネルギーをトータルして、年間で消費するエネルギーの量を実質的にゼロ以下にする家ということです。

 

 

出典:YKK AP

 

 

世界的なゼロカーボンの流れに連動し、日本では住宅の高性能化が進んでいます

日本政府の発表では、「遅くとも2030年までに、住宅・建築物が誘導基準への適合率が8割を超えた時点で、2025年に適合義務化された省エネ基準を、ZEH基準の水準に引き上げる」となっていますが、

 

今回の長野県の取り組みは、その先を行く進んだ決定となります。

 

建築するエリアで対応レベルが異なります

 

長野県でのZEH義務化、具体的に家を建てるときにどのような要件が有るのかはエリアによって異なります。

 

家の断熱性能を表す数値にUA値というモノがあります。

 

今回のZEH義務化の大きな要点となるのは、長野県内のエリアによって求められるUA値が大きく異なる点があげられます。

 

 

※話の複雑化を防ぐため、本稿ではUA値の詳細説明は割愛いたしました、ここでは単純に数字が小さいほうが断熱性能が良い。と理解し読み進めてください。

 

 

出典:信州健康ゼロエネ住宅指針(案)について 長野県建築住宅課 筆者により一部加筆

 

表内にある数値は、0に近づけば近づくほど高いレベルとなり、

長野県の中でも比較的温暖なエリアとして区分されている飯田市よりも、寒冷なエリアとして区分されている軽井沢町の数値が低いのはそのためです。

 

 

表の①をみると

市町村によって分けられていることが分かります。

 

建築をするエリアがどの場所にあるかによって、長野県が定める最低基準の断熱性能の数値が異なる点が注意点です。

 

以下に代表的な市町村の地域区分を示します。

 

【2地域】

軽井沢町

南牧村

川上村

 

【3地域】

佐久市

佐久穂町

小諸市

御代田町

上田市(旧真田村、旧武石村)

 

【4地域】

長野市

松本市

上田市

 

※ご検討のエリアが記載ない場合は、トモノにお問い合わせください

 

この中で、建築する際に注意が必要なエリアは【2地域】【4地域・5地域】に該当するエリアだと考えています。

 

長野県で4地域・5地域に建築する場合には国のZEH基準よりも高いレベルが必要になる

 

長野市、松本市など人口が多いエリアが属している4地域、飯田市など比較的長野県内では温暖といわれる市町村が属する5地域。この2つのエリアでの注意点は国の定めたZEH基準よりも、長野県が義務化を検討している基準値のレベルが高い点にあります。

 

 

 

出典:信州健康ゼロエネ住宅指針(案)について 長野県建築住宅課 筆者により一部加筆

 

通常、4地域・5地域エリアでZEHを取得するためにはUA値0.6 W/㎡・K以下である必要がありますが、長野県ではUA値0.5 W/㎡・K以下が必要となる予定です。

 

UA値を高めるということは、建築時に高性能な材料を使う、もしくは間取りで効率的なプランニングを実施することが大きな要素となるため、

 

高いレベルが必要 = 建築コストの増加 or 間取りでの制限

 

を意味します。

 

4地域・5地域でこれから家を建てる方は、近い将来国の定めたZEH基準よりも、長野県では必要なUA値が高くなるという事実を理解し、各住宅会社の説明を聞く必要があります。

 

簡単に言ってしまうと、これまで「ZEH基準クリアしています!」と宣伝していた住宅会社でも、長野県の最低基準以下の性能となり、建てられなくなってしまう可能性があるからです。

 

 

2地域で家を建てる場合は住宅会社の選択肢がかなり限られる可能性がある

 

4地域での住宅会社選びよりも難しいのは2地域(軽井沢など)での住宅会社選びではないでしょうか?

 

2地域で必要となるUA値は0.4 W/㎡・K以下

 

 

これは、既に高気密高断熱を高いレベルで実践している会社からすると当然取得できる数値ですが、得意でない会社では大幅なコストアップ要因が含まれるからです。

 

特に大きなコストアップ要因は「窓周りサッシ+ガラス」 の仕様が上がる点だと考えています。

 

長野県内2地域での家づくりは、ペアガラスなのかトリプルガラスなのかが大きな分水嶺

 

UA値は断熱材やサッシの仕様、そして間取りによっても異なるため一概には断定できませんが、UA値0.4以下を実現しようとするとサッシは樹脂、ガラスはトリプルガラスである必要になると考えられます。

 

既に樹脂サッシ+トリプルガラスを標準仕様としている会社様であれば問題ないですが、樹脂サッシ+ペアガラスを標準としている会社では、UA値を高めるためにサッシ+ガラス枚数を変更する必要があり、これが大きなコストアップ要因となることは確定的です。

 

 

出典:リクシル

 

サッシ+トリプルガラス だけではなく、断熱材の種類や厚み、場合によっては付加断熱の検討など、コストアップ要因は数多く考えられます。軽井沢等の2地域での建築をお考えの場合は、正式にルールが制定される前であっても、長野県が定める基準に合致するのか、はたまた旧基準に合致するものなのかを、しっかりと確認しておくことが重要になりそうです。

 

 

検討する住宅会社の平均的な断熱性能を確認しよう

 

住宅は部材を単純に組み合わせたものではありません。

これまでと異なる仕様設備を採用するということは、図面での検討もありますし、現場での慣れも良い家をつくるには重要な要素です。

 

ご検討されている住宅会社が平均的にどの断熱レベルで家を建てているのか?これはモノづくりの品質に直結すると考えます。

 

あくまで今回お伝えしたのは「最低基準」についてです。

 

 

「推奨基準」「先導基準」とさらに高いレベルが定められており、最低基準をぎりぎりクリアしたからと言って、住みやすい家になるかはまた別の議論となります。

 

既に私たちトモノを含む、何社かでは長野県推奨基準を超える住宅を供給し続けていることもあり、

検討会社については、これまでの住宅の断熱性能を確認しどのレベルにあるのかを確認することをおすすめしております。

 

 

コラムだけでは分かりにくいという方のために

 

私たちトモノでは家づくりの最初のステップとして、なんでも相談できる無料相談を開催しています。

コラムの内容での疑問や質問、もちろんそれ以外の内容についてもしっかりとお答えいたします。

 

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