2023/04/22
長野県の地盤は強いか弱いかをデータでみてみましょう。家づくりに重要な地盤のお話です。
はじめての家づくりは、聞きなれない単語も多く登場します。
多くの方が困惑する項目の一つに、「地盤改良工事」があります。これは、家を建てるために必要な工事の一つで、基礎工事の前に行います。
この地盤改良工事、わかりにくいのは、必要な土地もあれば実施しなくても良い土地がある点。
長野県での家づくりで必要な地盤改良工事の基礎知識をお伝えします。
データでみる長野県の地盤事情。全国的に見ると地盤は良い県です。
まず押さえておきたい情報は、長野県は地盤が良い県なのか悪い県なのか?です。
結論をお伝えすると、調査データから見てみると、全国的に見て長野県の地盤は比較的良い部類に入ります。
これは言い換えると、自分たちが新築住宅を建てる場合に、地盤改良工事が必要になる可能性が比較的低いという事を表しています。
出典:地盤ネット
都道府県 | 想定地盤改良率 |
---|---|
香川県 | 12.5% |
沖縄県 | 15.9% |
熊本県 | 19.8% |
長崎県 | 22.6% |
山梨県 | 23.2% |
宮崎県 | 23.4% |
大分県 | 24.8% |
静岡県 | 26.8% |
兵庫県 | 27.0% |
広島県 | 27.4% |
山口県 | 27.7% |
長野県 | 27.8% |
山形県 | 28.7% |
福岡県 | 28.7% |
高知県 | 28.8% |
出典:ハイアス&カンパニー 調査データ
ただし、調査データを見て、長野県の地盤改良率が低いからと言って油断は禁物です。
最終的には自宅の建築予定地で実際に地盤調査をしてみないと、地盤改良工事が必要な場所かどうかは最後までわかりません。
「左右のお隣さんは地盤改良が必要なかったと聞いたし、うちも大丈夫だろう。」
と思っていても、いざ調査してみると自宅予定地だけ地盤改良が必要だったという事は多くあります。
楽観的に考えていて、最後の最後に追加費用が発生・・・では困ってしまいます。
上記のようなことを防ぐためにも、予算組の段階では、万が一の状況にも対応できるように、
「地盤改良工事費用」を概算で参入しておくことをおすすめします。
地盤改良工事費用はおおむね80万円~130万円ほど予算をとっておけば、平均的な地盤改良工事が発生したとしても困ることは無いと思います。
以前は見かけ上の総額を安く見せたい住宅会社は、この地盤改良工事を「調査後確定」というような表記を行い、資金計画書から外している場合も多々見受けられました。
しかし、現在ではこれではお客様が困ってしまうため、良識のある会社は最初から地盤改良工事の予算を計上していることのほうが多くなっています。
調査して無事に地盤改良工事が発生しなければ、予算で組んでいた金額は丸ごとかからない費用となるため、非常に安心感が高まります。
戸建住宅における地盤調査とは?地盤調査の方法と代表的な改良工事についてご紹介します。
それでは、実際に戸建住宅における地盤調査は何を行っているのでしょうか。
地盤調査の方法自体には、ボーリング調査といった調査方法もありますが、戸建住宅においては、
スウェーデン式サウンディング試験
と呼ばれる調査を行うことが一般的です。(略称としてSS試験などとも呼ばれたりします。)
このスウェーデン式サウンディング試験を元として、地盤内部の土を採取する調査方法などもありますが、基本的には多くの住宅会社はこのスウェーデン式サウンディング試験を採用しています。
出典:Wikipedia
スウェーデン式サウンディング試験は、上記画像の調査機器を用いて、先端がドリルの形状をしているロッドの上部に25kgの重りを合計4つ = 100kgのせ、その上でロッドを回転させていきます。(手動の場合)
地盤が固ければ、100kgの重りを乗せた状態でもドリルが貫入していかないこともありますし、
軟弱な地盤であれば25kgの重りを乗せた段階で、ロッドが沈み込むこともあります。
重りの個数と必要回転数及び貫入深さを用いて、地盤の強さを簡易的に表す、
換算N値
を算出し、地面の固さを評価します。
地盤調査データがそろったら、改良工事が必要かどうか?の確認をしてもらう。
SS試験による調査データを用いて、ご自身の家を建てる土地において地盤改良工事が必要かどうかの判断をしてもらう事になります。
その結果、地盤改良工事の有無が確定します。最初にお伝えした想定改良率27.8%の意味することは、この際に地盤改良工事が必要になるケースが27.8%の確立という事です。
約3人に1人は必要となる可能性がありますので、やはり住宅の資金計画の中にはしっかりと予算組をしておく必要がありますん。
後から高額請求が追加され困ることの無いように注意しておきましょう。