2023/11/28
ハザードマップで見る、長野県佐久穂町の水害リスクや地盤が強い土地、弱い土地は?注文住宅を建てる際の土地選びのポイント
長野県佐久穂町は中山間部に位置しているため、土地選びの際は水害や土砂災害などのリスクを考慮しながら検討をした方が安心な地域です。この記事では、佐久穂町のハザードマップを参照しながら、水害や土砂災害などに強い家づくりについて解説します。
佐久穂町でマイホームを建てようと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
佐久穂町のハザードマップから見る災害
まずは佐久穂町のハザードマップを見ながら、水害や土砂崩れ、液状化などの災害が発生する可能性について紹介します。
佐久穂町で水害が起こりやすい場所
佐久穂町には千曲川を中心に、北沢川、新田川、抜井川など多くの川が流れています。それぞれの河川に水害リスクがあるため、水害ハザードマップは確認が必要です。
佐久穂町では「洪水・土砂災害ハザードマップ」を全戸に配布しています。過去には2019年の台風19号において千曲川東側の大日向地区や余地地区で全壊家屋が出るなど、水害への備えが必要なエリアも少なくありません。
穂積地区や海瀬地区も、千曲川流域では2階床下に匹敵する3mの浸水想定エリアが設定されています。佐久穂町役場も浸水する危険性があるほどです。土地選びの際は必ずハザードマップを確認しましょう。
参考元:佐久穂町総合政策課「台風 19 号による被害状況と支援策について」
佐久穂町で土砂崩れの起こりやすい場所
佐久穂町は土砂災害が起こる可能性が高い場所も少なくありません。特に海瀬地区の崎田公民館周辺、畑地区の佐久穂町役場旧八千穂庁舎周辺など、山間部から千曲川に至るエリアは土石流警戒区域に指定されています。
川沿い、沢沿いは広範囲にわたって土石流に警戒する必要があるため、土地選びの際は注意してください。
佐久穂町の液状化発生リスク
地震などの影響で地盤が衝撃を受け液体のようになってしまう「液状化」。地盤内のサイズ・成分が揃った砂粒子が、地震の揺れで地下水に浮いた状態になることで発生します。液状化が発生すると、その上の建物は傾いたり沈んでしまう可能性があります。
佐久穂町で液状化による大規模な災害はこれまでに報告されていませんが、「佐久穂町地域防災計画」によると「糸魚川―静岡構造線」による地震では町内中心部で液状化が発生する危険性が高いとされています。
液状化は特に「埋立地(盛土)」で発生しやすいので、造成地などを選ぶ際は液状化の危険性について尋ねてみると安心です。
佐久穂町で災害時に受けられる保険/保証
佐久穂町では、自然災害で被災した住宅の補修や改修に使える「生活再建住宅補修事業補助金」が創設されていました。(2023年3月31日で終了)
対象となっていたのは2019年の台風19号による被害で、補助率は工事費の2分の1、限度額は50万円です。
今後も大規模災害が発生した際には、同様の補助制度が創設されることが考えられます。仮に被災した場合は、佐久穂町からのお知らせを注意深く収集しておきましょう。
佐久穂町で注文住宅を建てるべき安全なエリア
ここまで紹介した佐久穂町の水害・土砂災害の想定エリアを考慮すると、注文住宅を建てるべき安全なエリアは次の3か所が挙げられます。
・海瀬地区の畑ヶ中集落センター周辺
・畑地区の佐口公民館周辺
・高野町地区の旧佐久西小学校体育館周辺
ハザードマップを見ると、佐久穂町のどのエリアにも土石流警戒区域や急傾斜地警戒区域、浸水想定区域が設定されています。そのため、土地を選ぶ際は、各地区の中からさらに絞って安全な場所を探すことが重要です。
海瀬地区の畑ヶ中集落センター周辺
海瀬地区はJR小海線の「日本一海から遠い駅」として知られる海瀬駅があるなど、佐久穂町内でも比較的有名なエリアです。ただし、海瀬駅周辺は急傾斜地警戒区域が多いことは覚えておきましょう。
海瀬駅の東側にある畑ヶ中集落センター周辺は民家が多く、ハザードマップ上も安全なエリアになっています。土地選びの際は、有力な候補になるのではないでしょうか。国道299号線に近いので、利便性が高いことも特徴です。
また、海瀬地区を流れる抜井川沿いは浸水リスクもあるので、その点は注意してください。
畑地区の佐口公民館周辺
佐久穂町大字畑は、佐久南部広域農道沿いのエリアです。一部に急傾斜地特別警戒区域がありますが、浸水想定区域はなく、比較的水害に強いエリアといえるでしょう。
佐口公民館周辺は民家が多く、佐久南部広域農道を使えば佐久市方面へのアクセスがしやすいことも特徴です。
高野町地区の旧佐久西小学校体育館周辺
佐久穂町大字高野町は、佐久穂町役場があるなど街の中心部といえます。しかし、前述したとおり、佐久穂町役場周辺は0.5m以上の浸水が想定されるエリアです。0.5mというと大人の膝くらいの高さになり、床上浸水のリスクがあるので、マイホームを建てる場所としては懸念もあるでしょう。
佐久穂町役場から西へ進んだ場所にある旧佐久西小学校体育館周辺であれば、土石流警戒区域や浸水想定エリアには含まれないので、比較的安心です。指定避難所にも選ばれている場所なので、より安心できるでしょう。
旧佐久西小学校体育館の北側には北沢川がながれていますが、あまり川に近すぎると堤防決壊の際に浸水する可能性もあります。
佐久穂町の家づくりでの水害対策
マイホームを建てる際の水害対策としては、次の3点が挙げられます。
・ハザードマップを確認する
・高床構造・ピロティ構造
・盛土
全てを満たすことは難しいかもしれませんが、工務店と相談して土地や設計を検討することをおすすめします。
ハザードマップを確認する
佐久穂町は、どのエリアにも浸水想定エリア・土石流警戒区域が指定されています。そのため、地区名だけではなくハザードマップを細かく見て土地を選んだ方が安心です。佐久穂町役場のホームページには「洪水・土砂災害ハザードマップ」が掲載されているので、一度目を通してみてください。
高床構造・ピロティ構造
高床構造・ピロティ構造で家を建てることも、水害対策になります。基礎を高くすれば、それだけ洪水による床上浸水リスクを軽減できるためです。(床下浸水リスクはあります。)
また、ピロティ構造を採用すれば、水害対策に加えて車庫や子どもの遊び場としても使えます。ただし、ピロティ構造は地震に弱いことに注意しなければなりません。
盛土
浸水リスクのあるエリアにマイホームを建てる場合は、地盤を高くするために盛土することも1つの手段です。盛土・擁壁を設置して地盤をかさ上げすれば、床下浸水のリスクヘッジにもなります。
ただし、盛土には地盤沈下の可能性があることは覚えておきましょう。施工は信頼できる会社に任せた方が安心です。
佐久穂町で注文住宅を建てるならトモノへご相談ください
佐久穂町は中部横断自動車道も通っており、佐久市や小諸市など佐久エリアの中心へもアクセスしやすい街です。ほどよく田舎に住みたい方には、特におすすめの街だといえます。
その一方で、千曲川沿いを中心に、洪水の危険があるエリアも少なくありません。山沿いには急傾斜地警戒区域も多いため、土地選びの際は注意してください。
トモノでは、佐久穂町で一戸建て注文住宅を建てる方の土地探し相談も承っています。佐久穂町の一戸建て住宅での災害対策方法など、安心して暮らすための相談も可能です。佐久穂町にマイホームを建てようと考えている方は、お気軽にご相談ください。
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記事監修者:中小企業診断士(住宅コンサルタント)塩味 隆行
一般社団法人 住宅資産価値保全保証協会認定講師
住宅検討をされている方が後悔しない家づくりを実現いただくため、 全国各地で年100回以上、家づくりセミナーの講師を担当しています。 住宅購入の際に必要となる性能や土地についての基礎知識から、 資金計画などの専門的なことまで、客観的かつ具体的に情報をお伝えいたします。
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長野県 北信 東信地域・長野市・上田市・東御市・小諸市・佐久市・軽井沢町で設計士とつくる注文住宅 新築一戸建て デザイン住宅 は住宅会社・工務店のトモノにご相談ください。